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公認会計士が格付け:主要クレジットカード10枚 2026年版
年会費無料カードからゴールドまで、主要10枚を公式サイトの情報で確認し、S〜Dの5段階で格付けしました。基本還元率・年会費条件・特定店舗の優遇・ポイントの使いやすさ・付帯保険の5つの基準で、40〜60代のあなたに合う1枚を考えます。

結論から言うと、2026年10月時点で「誰にでも勧めやすい」と判断したのは、年会費無料で基本還元率1%以上の楽天カードとリクルートカードの2枚です。コンビニやカフェをよく使う方には三井住友カード(NL)、年間100万円以上カードを使う方には三井住友カード ゴールド(NL)が有力な選択肢になります。一方、2027年1月から還元率が下がるdカードや、通常カードとの差が小さい楽天ゴールドカードは、今から新しく選ぶ理由は薄いと見ています。
この記事では、三井住友カード、楽天カード、PayPayカード、dカード、イオンカード、エポスカード、リクルートカード、au PAY カードの主要10枚について、各社の公式サイトで年会費・基本還元率・優遇条件・付帯保険を確認し、S〜Dの5段階で格付けしました。還元率は2026年に入って改定が相次いでいるため、いつの時点の数字かを添えて説明します。公式サイトで確認できなかった項目は推測で埋めず、公式サイトでのご確認をお願いする形にしています。
年会費無料で基本還元1%以上のカードを1枚持てば、まず損はしません。
得する人・向いている人
- 楽天市場をよく使う人(楽天カード)
- どこで使っても同じ還元がほしい人(リクルートカード 1.2%)
- コンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済をよく使う人(三井住友カード(NL))
- 年間100万円以上カードで使う人(三井住友カード ゴールド(NL):翌年から年会費無料)
損しやすい人・向かない人
- 2027年1月以降もdカードを基本0.5%のまま使い続ける人
- 年100万円使わないのにゴールド(NL)を作る人(年会費5,500円がそのまま負担)
- 楽天ゴールドカードを「楽天市場の倍率が上がる」と思って作る人(無料カードと同じ)
- 公共料金や税金を楽天カードで払って1%もらえると思っている人(0.2%)
- 楽天カード
- リクルートカード
- 三井住友カード(NL)
- 三井住友カード ゴールド(NL)
- au PAY カード
- PayPayカード
- イオンカードセレクト
- エポスカード
- 楽天ゴールドカード
- dカード
2026年10月25日時点の各社公式サイトの情報で評価。くわしい理由は下の表と各項目の説明へ。

先輩、ネットの比較記事ってどれも同じカードを勧めていて、何を信じればいいのか分かりません…

だから今回は、公認会計士の目で「数字」だけを見て格付けした。年会費・手数料・還元率・条件を、会社の決算書を読むときと同じ目で見ていく。広告報酬は格付けに一切反映していないよ。
基準日:この記事の数字は2026年10月25日時点の各社公式サイトの情報です。条件は変わることがあるため、申し込み前に必ず公式サイトでご確認ください。
格付け表(S〜Dの5段階)
自分の数字で試算してみる
表の数字は目安です。自分の利用額や預金額を入れると、年にいくら違うかがその場で分かります。
還元率0.5%と1.2%、年にいくら違う?
数字を動かすと、その場で結果が変わります(税引前・ポイントは1pt=1円として計算)。
あくまで目安です。実際の付与率・条件は各社の公式サイトでご確認ください。
ゴールド(NL)の年会費は何万円使えば元が取れる?
数字を動かすと、その場で結果が変わります(税引前・ポイントは1pt=1円として計算)。
あくまで目安です。実際の付与率・条件は各社の公式サイトでご確認ください。
各項目の詳しい評価
楽天カード(格付け S:最高評価)

画像出典:楽天カード公式サイト(引用)
年会費無料で基本1%、楽天市場では通常分と合わせて3倍(5と0のつく日はエントリーで4倍、特典分は月1,000ポイント上限)という分かりやすい構成です。海外旅行傷害保険は最高2,000万円で、旅行代金のカード決済などの条件があります。一方、公式のポイント進呈率ページ(2026年10月時点)では、電気・ガス・水道などの公共料金や自動車税・固定資産税などの税金、国民年金保険料は500円につき1ポイント(0.2%)、生命保険・損害保険の保険料、携帯電話料金、海外取引(Visa・Mastercard)は200円につき1ポイント(0.5%)と明記されています。公共料金等の対象先は2025年3月利用分から追加され、対象の一覧は予告なく更新されるため、固定費をまとめる前に進呈率ページでご確認ください。楽天市場と街のお買い物を中心に使う方に向くカードです。
- 年会費:永年無料
- 基本還元率:1%(100円につき1ポイント)
- 良い点:無料で1%、楽天ポイントは街でも楽天市場でも使いやすい
- 気になる点:公共料金・税金は500円につき1ポイント(0.2%)、保険料・携帯電話料金・海外利用は200円につき1ポイント(0.5%)
リクルートカード(格付け S:最高評価)

画像出典:リクルートカード公式サイト(引用)
年会費無料で基本還元率1.2%は、今回確認した無料カードの中で最も高い数字です。海外旅行傷害保険は最高2,000万円(利用付帯)、ショッピング保険はMastercard・Visaで年間100万円、JCBで年間200万円が付帯し、JCBには国内旅行傷害保険(最高1,000万円・利用付帯)も付きます。電子マネーチャージは対象電子マネーの合算で月3万円までがポイント対象で、JCBブランドのチャージ分は0.75%です(Mastercard・Visaのチャージ分の加算率は公式サイトに明記がないため、公式サイトでご確認ください)。リクルートポイントはPontaポイントやdポイントに交換できますが、交換の一手間を面倒に感じない方、特定の経済圏にこだわらず「どこで使っても一定の還元」を求める方に向きます。
- 年会費:永年無料
- 基本還元率:1.2%
- 良い点:無料カードでは高めの1.2%、保険も付帯、Ponta・dポイントに交換可
- 気になる点:電子マネーチャージは合算で月3万円まで(JCBは0.75%)、ポイントは交換の手間あり
三井住友カード(NL)(格付け A:おすすめ)

画像出典:三井住友カード公式サイト(引用)
基本還元率は0.5%ですが、セブン‐イレブンやローソン、マクドナルドなど対象店舗でスマホのVisa・Mastercardタッチ決済またはモバイルオーダーを使うと合計7%還元になります(セブン‐イレブンは条件達成で最大10%)。カード現物のタッチ決済、iD、カードの差し込み、Google PayでのMastercardタッチ決済は対象外です。海外旅行傷害保険は最高2,000万円(利用付帯)で、別の無料保険に変更することもできます。コンビニやカフェでの支出が多く、スマホ決済に抵抗がない方なら、無料カードとして十分に働きます。スマホのタッチ決済は1回あたり原則1万円が上限で、超える場合はカード挿入払いになり7%の対象外となる点には注意が必要です。
- 年会費:永年無料
- 基本還元率:0.5%(200円につき1ポイント)
- 良い点:対象コンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済なら7%還元
- 気になる点:基本は0.5%と低め。カード現物のタッチ決済やiDは7%の対象外
三井住友カード ゴールド(NL)(格付け A:おすすめ)

画像出典:三井住友カード公式サイト(引用)
年間100万円を使うと翌年以降の年会費が永年無料になり、以降も毎年100万円の利用で10,000ポイントが付与されます(初年度は対象外)。100万円で10,000ポイントは1%相当なので、基本0.5%と合わせると実質1.5%前後の還元になります。国内主要空港のラウンジ、最高2,000万円の海外・国内旅行傷害保険(利用付帯)、300万円のショッピング補償が付帯します。ただし、100万円の集計には対象外の利用があり、年会費、交通系などの電子マネーへのチャージ、国民年金保険料、三井住友カードつみたて投資などは含まれません。2026年3月1日以降はau PAY・Kyash・JAL Pay・バンドルカードへのチャージも対象外になっています。公共料金や保険料などをまとめて年間100万円以上カードで払う見込みがある方に向きます。
- 年会費:5,500円(税込)。年間100万円利用で翌年以降永年無料
- 基本還元率:0.5%(200円につき1ポイント)
- 良い点:年100万円利用で年会費永年無料+毎年10,000ポイント、ラウンジ付き
- 気になる点:初年度は必ず5,500円。電子マネーやコード決済へのチャージ、国民年金保険料などは100万円の集計対象外
三井住友カード ゴールド(NL) の公式サイトで最新の条件を見る
au PAY カード(格付け A:おすすめ)

画像出典:au PAY カード公式サイト(引用)
年会費は2024年6月1日の改定で、それまでの「au携帯電話の契約または年1回以上の利用で無料」という条件がなくなり、誰でも無条件で永年無料になりました(auフィナンシャルサービスの2024年5月31日付お知らせ)。基本還元率は1%で、海外旅行あんしん保険は最高2,000万円(利用付帯)、お買物あんしん保険は年間100万円が付帯します。au PAY残高へのチャージは0.5%ですが、オートチャージの条件を満たすと合計最大1.5%になります(月間上限あり)。auやUQ mobileの利用者はもちろん、Pontaポイントをローソンなどで使う方にも扱いやすい1枚です。
- 年会費:永年無料
- 基本還元率:1%(100円につき1Pontaポイント)
- 良い点:無料で1%、Pontaはローソンなど使い先が広い。保険も付帯
- 気になる点:au PAY残高チャージは0.5%。auユーザー以外には特典が薄い
PayPayカード(格付け B:ふつう)

画像出典:PayPayカード公式サイト(引用)
基本付与率は1%ですが、2026年6月2日以降はPayPayアプリへのカード登録とPayPayの本人確認(eKYC)が条件になり、PayPayの公式ヘルプでは本人確認が済んでいない場合はポイント付与の対象外と案内されています。200円以上の決済が月30回かつ10万円以上で0.5%が加算され、合計最大1.5%になります。電気・ガス・水道や税金は0.5%、他社決済サービスや交通系ICへのチャージは付与対象外です。公式の比較表では、年会費無料のPayPayカードに旅行保険・ショッピング保険は付帯せず、これらはPayPayカード ゴールド(年会費11,000円)専用です。PayPayを日常的に使い、Yahoo!ショッピングやLOHACOでも買う方に向くカードで、PayPayを使わない方にはメリットが限られます。
- 年会費:永年無料
- 基本還元率:1%(200円ごとに計算。PayPayアプリへのカード登録と本人確認が条件)
- 良い点:PayPayと組み合わせれば最大1.5%、Yahoo!ショッピングで5%
- 気になる点:2026年6月から本人確認が必須に。公共料金・税金0.5%、交通系ICチャージは対象外。旅行保険・ショッピング保険は付帯なし
イオンカードセレクト(格付け B:ふつう)

画像出典:イオンカード公式サイト(引用)
イオン銀行のキャッシュカード・クレジット・電子マネーWAONが1枚になったカードで、クレジット利用代金はイオン銀行口座からの引き落としになります。イオングループ対象店舗ではWAON POINTが常時2倍(1%)、毎月20日・30日の「お客さま感謝デー」は買い物代金が5%オフ、55歳以上なら毎月15日の「G.G感謝デー」も5%オフです。付帯保険は、クレジット決済で購入した1品5,000円以上の商品を購入日から180日間補償するショッピングセーフティ保険(年間50万円まで)とカード盗難保障で、旅行傷害保険は付きません。年間50万円(税込)以上のクレジット利用など一定の条件を満たすと、審査のうえ年会費無料のイオンゴールドカードに自動的に切り替わります(招待制ではありません)。週に何度もイオンで買い物をする方には実利が大きく、そうでない方には0.5%の普通のカードです。
- 年会費:無料
- 基本還元率:0.5%(200円につき1WAON POINT)
- 良い点:イオングループで常時1%、毎月20日・30日は5%オフ。年50万円でゴールドに切替
- 気になる点:引き落としはイオン銀行口座に限定。旅行傷害保険は付帯しない
エポスカード(格付け B:ふつう)

画像出典:エポスカード公式サイト(引用)
ポイント還元は税込200円につき1ポイント(1ポイント=1円として支払いに充当可)と控えめですが、海外旅行傷害保険が傷害死亡・後遺障害最高3,000万円、傷害治療200万円、疾病治療270万円、賠償責任3,000万円、携行品損害20万円と、無料カードとしては補償内容が充実しています。旅行代金をエポスカードで支払う「利用付帯」で、対象はVisa付エポスカードの会員本人のみです。飲食店・映画館など1万店舗以上の優待も特徴です。メインカードというより、海外旅行や優待のために2枚目として持つ使い方が合います。
- 年会費:永年無料
- 基本還元率:0.5%(税込200円につき1ポイント、1ポイント=1円)
- 良い点:無料カードで海外旅行保険が手厚い(疾病治療270万円)、優待1万店舗
- 気になる点:基本0.5%で日常の還元は見劣り。保険は利用付帯で本人のみ
楽天ゴールドカード(格付け C:条件つき)

画像出典:楽天カード公式サイト(引用)
公式サイトの記載では、楽天市場での還元は「合計3倍」で、年会費無料の楽天カード(通常分1倍+カード特典分1倍+楽天市場利用分1倍の3倍)と差がありません。上乗せは誕生月の+1倍(月間2,000ポイント上限)、国内空港ラウンジ年2回、ETCカード年会費無料などです。ETCカードを使い、年に2回程度は飛行機に乗る方なら2,200円を回収できる可能性はありますが、多くの方は無料の楽天カードで十分と考えます。
- 年会費:2,200円(税込)
- 基本還元率:1%(100円につき1ポイント)
- 良い点:国内空港ラウンジ年2回、誕生月は楽天市場で+1倍、ETC年会費無料
- 気になる点:楽天市場の倍率は通常の楽天カードと同じ3倍。年会費を回収しにくい
dカード(格付け D:見送り)

画像出典:dカード公式サイト(引用)
ドコモは2026年9月1日に、年会費無料のdカードの通常決済ポイントを2027年1月利用分から200円につき1ポイント(0.5%)へ改定すると発表しました。年会費も、前年度に一度も利用がない場合は1,650円(税込)がかかる仕組みに変わります。さらに、29歳以下向けの旅行保険とお買物あんしん保険は2026年3月31日で終了しています。d払いをdカード払いに設定すれば合計1%は維持されるため、すでに持っている方が使い続けるのは問題ありませんが、今から新しく選ぶ理由は見つけにくいと判断しました。
- 年会費:無料。2027年1月以降は前年度に1度も利用がない場合1,650円(税込)
- 基本還元率:1%(100円につき1ポイント)。2027年1月利用分から0.5%(200円につき1ポイント)に改定
- 良い点:d払い(支払い方法をdカードに設定)は改定後も合計1%を維持
- 気になる点:2027年1月から基本0.5%に半減。無料カードの付帯保険は2026年3月で終了
格付けの基準と見方
今回の格付けは、①基本還元率、②年会費と無料になる条件、③コンビニやネット通販など特定店舗での還元、④ポイントの使いやすさ、⑤付帯保険やラウンジなどの特典、の5点で評価しています。数字はすべて各カード会社の公式サイトで2026年10月25日時点に確認したもので、比較サイトの数字は使っていません。公式サイトで確認できなかった項目は、本文中でその旨を書き、推測で埋めることはしていません。
S・A・B・C・Dの意味は、S=誰にでも勧めやすい、A=多くの人に合う、B=使い方次第、C=条件が合う人だけ、D=今から新しく選ぶ理由が薄い、です。カードの良し悪しではなく「40〜60代の読者が今から1枚選ぶなら」という視点で付けていますので、すでに持っているカードがCやDでも、解約を勧めるものではありません。
なお、候補にあったJCBカードWは申込対象が18〜39歳のため、またOliveフレキシブルペイは三井住友銀行の口座開設が前提で三井住友カード(NL)と内容が重なるため、表からは外しました。JCBカードWは年会費無料で基本1%、Amazonで2%など内容は良いカードですので、お子さまが対象年齢なら候補になります。
- S:楽天カード、リクルートカード
- A:三井住友カード(NL)、三井住友カード ゴールド(NL)、au PAY カード
- B:PayPayカード、イオンカードセレクト、エポスカード
- C:楽天ゴールドカード
- D:dカード(2027年1月の改定を踏まえた評価)
S・Aのカードの共通点
SとAに入った5枚には、はっきりした共通点があります。ひとつは「年会費が無料、または無料にできる条件が明確」であることです。楽天カード、リクルートカード、三井住友カード(NL)、au PAY カードは条件なしで永年無料、三井住友カード ゴールド(NL)は年間100万円という数字が公式サイトに明記されています。
もうひとつは「どこで使っても1%前後の還元が確保できる」か、「特定の場所で大きく上乗せされる」のどちらかがはっきりしていることです。楽天カード、リクルートカード、au PAY カードは前者で、基本1〜1.2%です。三井住友カードの2枚は基本0.5%と低めですが、対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済を使えば7%という上乗せが公式に示されています。
最後に、ポイントの出口が広いことです。楽天ポイント、Pontaポイント、Vポイントはいずれも街の加盟店でそのまま使え、リクルートポイントもPontaやdポイントに交換できます。貯めたポイントの使い道に悩まないことは、還元率の数字と同じくらい大切な要素です。
年会費を払う価値があるのはどんな人か
今回の10枚のうち、年会費がかかるのは三井住友カード ゴールド(NL)と楽天ゴールドカードの2枚です。同じ「ゴールド」でも評価が分かれたのは、年会費に対して何が返ってくるかの計算が違うからです。会計士として言えば、年会費は「固定費」なので、それを上回る「変動的な見返り」が得られる見込みがあるかで判断します。
三井住友カード ゴールド(NL)は、年間100万円を使えば翌年以降の年会費が永年無料になり、毎年10,000ポイントが付与されます。100万円で10,000ポイントは1%相当ですから、基本の0.5%と合わせて実質1.5%前後になります。初年度の5,500円は必ずかかるものの、100万円の利用が見込める方なら2年目以降の負担はゼロで、ラウンジや旅行保険、ショッピング補償も付いてきます。ただし、電子マネーやコード決済へのチャージ、国民年金保険料などは100万円の集計に含まれないため、何をこのカードで払うかを先に整理しておく必要があります。
一方、楽天ゴールドカードは年会費2,200円に対して、楽天市場での倍率は無料の楽天カードと同じ3倍です。上乗せは誕生月の+1倍、国内空港ラウンジ年2回、ETCカード年会費無料にとどまります。ETCカードの550円を無料にできる点と年2回のラウンジを合わせても、2,200円を回収できる方は限られるでしょう。
年会費を払うか迷ったときは、「そのカードで年間いくら使うか」を先に見積もるのが近道です。公共料金、通信費、保険料、サブスクリプションなど、毎月自動で引き落とされる支出をカードにまとめると、年間100万円は月8.4万円程度ですので、世帯によっては無理なく届く金額です。逆に、そこまで使わない方は、無料カードのSやAを選ぶのが合理的です。
会計士が見る「ポイント還元」の落とし穴
ひとつ目の落とし穴は、「最大○%」という表示です。たとえばPayPayカードの最大1.5%は、PayPayアプリへの登録と本人確認を済ませ、さらに200円以上の決済を月30回かつ10万円以上行った場合の数字です。三井住友カード(NL)の7%も、スマホのタッチ決済かモバイルオーダーに限られ、カード現物のタッチ決済やiDは対象外です。ご自身の使い方で「最大」の条件を満たせるかを、公式サイトの注釈で確かめることをお勧めします。
二つ目は、「還元率が下がる支払い先」が増えていることです。楽天カードは2026年10月時点で、公共料金・税金・国民年金保険料が500円につき1ポイント(0.2%)、保険料・携帯電話料金・海外取引が200円につき1ポイント(0.5%)と公式サイトに明記されており、公共料金等の対象先は2025年3月に追加されました。PayPayカードも2026年6月から公共料金・税金が0.5%、交通系ICへのチャージは付与対象外です。公共料金をカードにまとめる方は、まとめ先のカードがその支払いで何%になるかを先に確認したほうがよいでしょう。
三つ目は、「改定は突然来る」ということです。dカードは2026年9月に発表された改定で、2027年1月から基本還元率が1%から0.5%に半減します。また、年会費無料のdカードに付いていた29歳以下向けの保険も2026年3月末で終了しています。各社の公式ページには「条件は予告なく変更または中止となる場合がある」と書かれています。この記事の格付けも2026年10月時点のものであり、1年後には変わっている可能性があることを前提にお読みください。
最後に、ポイントは「もらえるお金」ではなく「使うまで価値が確定しない権利」です。有効期限や交換レート、使える場所に制限があり、交換方法によっては1ポイントが1円にならないことも公式サイトに明記されています。還元率を0.5%上げるために使い慣れない決済アプリを増やすより、確実に使い切れるポイントで1%を取るほうが、家計全体では得になることが多いと考えています。
注意点とよくある誤解
よくある誤解のひとつは、「海外旅行保険が付いているから持っているだけで安心」というものです。今回確認した無料カードの旅行保険はすべて「利用付帯」で、旅行代金や公共交通機関の運賃をそのカードで支払うことが条件です。エポスカードの公式ページにもその旨が明記されており、対象も会員本人のみです。また、PayPayカードやイオンカードセレクトのように旅行保険そのものが付かない無料カードもあります。家族の補償が必要なら、別途旅行保険を検討する必要があります。
もうひとつは、「ゴールドカードは審査が厳しく、年会費も高い」というイメージです。三井住友カード ゴールド(NL)のように条件達成で年会費が無料になるものや、イオンゴールドカードのように年間50万円以上の利用で審査のうえ自動的に切り替わり年会費も無料のものが登場しています。一方で、dカードのように「無料」だったカードに利用がない場合の年会費が設定される例も出てきており、「無料カードは永久に無料」とも言い切れなくなっています。
カードを選ぶときは、以下の点を公式サイトで確認してから申し込むことをお勧めします。細かい条件ほど、比較サイトの表では省かれがちです。
- 基本還元率の単位(100円につき1ポイントか、200円につき1ポイントか)と、1ポイントの価値
- 公共料金・税金・海外利用・電子マネーチャージなど、還元率が下がる支払い先の有無
- 「最大○%」の条件(決済方法、回数、金額、アプリ登録や本人確認の有無)
- 年会費が無料になる条件と、その集計期間・集計対象外の利用(三井住友は年間100万円、イオンゴールドは年間50万円など)
- 付帯保険が利用付帯か自動付帯か、補償対象が本人のみか家族も含むか
- 引き落とし口座の制限(イオンカードセレクトはイオン銀行、Oliveは三井住友銀行)
よくある質問(赤城が聞いてみた)
1枚だけ持つなら、どのカードがよいですか?

1枚だけ持つなら、どのカードがよいですか?

特定のお店にこだわりがなければ、年会費無料で基本1%以上の楽天カードかリクルートカードが候補になります。楽天市場をよく使うなら楽天カード、どこで使っても同じ還元を求めるならリクルートカード、Pontaポイントを使うならau PAY カードという分け方が分かりやすいでしょう。いずれも2026年10月時点の公式サイトの条件に基づく判断です。
基本還元率が0.5%の三井住友カード(NL)がAなのはなぜですか?

基本還元率が0.5%の三井住友カード(NL)がAなのはなぜですか?

対象のコンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済を使うと合計7%還元になり、この部分の支出が多い方には他のカードより有利になるためです。ただし、カード現物のタッチ決済やiD、1回1万円を超える決済は対象外です。コンビニやカフェをほとんど使わない方には、基本1%のカードのほうが合います。
すでに持っているdカードは解約したほうがよいですか?

すでに持っているdカードは解約したほうがよいですか?

解約を急ぐ必要はありません。d払いの支払い方法をdカードに設定していれば、2027年1月の改定後も合計1%は維持されます。ただし、2027年1月以降は前年度に一度も利用がない場合1,650円(税込)の年会費がかかる仕組みに変わりますので、まったく使っていないカードは、年会費の請求が始まる前に整理を検討してもよいでしょう。
年会費のかかるゴールドカードは、どれくらい使えば元が取れますか?

年会費のかかるゴールドカードは、どれくらい使えば元が取れますか?

三井住友カード ゴールド(NL)は、年間100万円の利用で翌年以降の年会費が永年無料になり、毎年10,000ポイントももらえます。月に8.4万円程度の支出をカードに集められる方なら、初年度の5,500円は翌年以降の特典で回収できる計算です(電子マネーへのチャージなど集計対象外の利用には注意が必要です)。楽天ゴールドカードは年会費2,200円に対して楽天市場の倍率が無料カードと同じなので、ラウンジやETCカード無料をどれだけ使うかで判断してください。
出典・参考にした公式情報
- 三井住友カード(NL)公式ページ(三井住友カード)
- 三井住友カード ゴールド(NL)公式ページ(三井住友カード)
- 三井住友カード ゴールド(NL)年間100万円特典の注意事項(三井住友カード)
- 楽天カード公式ページ(楽天カード)
- 楽天ゴールドカード公式ページ(楽天カード)
- ポイント進呈率について(楽天カード)
- 新プログラム提供開始および一部サービス内容変更について(楽天カード、2024年12月17日)
- PayPayカード公式サイト(PayPayカード)
- カード利用特典(PayPayポイント)(PayPayカード)
- カードを比較する(PayPayカード)
- PayPayステップについて(PayPay ヘルプ)
- dカード公式ページ(NTTドコモ)
- 「dカード」dポイント進呈率・年会費改定のお知らせ(NTTドコモ、2026年9月1日)
- dカード(年会費永年無料)付帯保険の終了について(NTTドコモ、2025年9月26日)
- イオンカードセレクト公式ページ(イオンフィナンシャルサービス)
- イオンゴールドカードのご案内(イオンフィナンシャルサービス)
- イオンゴールドカードの対象カードと発行条件(イオンカード よくあるご質問)
- ショッピングセーフティ保険とは(イオンカード よくあるご質問)
- 「年会費無料」のエポスカード(エポスカード)
- エポスカード 海外旅行傷害保険(エポスカード)
- エポスポイントの計算方法(エポスカード よくあるご質問)
- エポスポイント利用ガイド(エポスカード)
- リクルートカード公式サイト(リクルート)
- リクルートカード カードの機能(リクルート)
- リクルートID規約 ポイント加算・利用条件一覧(リクルート)
- au PAY カード公式サイト(auフィナンシャルサービス)
- au PAY カード カードを比較する(auフィナンシャルサービス)
- au PAY カードの年会費が無条件で永年無料に(auフィナンシャルサービス、2024年5月31日)
- JCBカードW公式ページ(JCB)
- Oliveフレキシブルペイ(一般)公式ページ(三井住友銀行)
まとめ:自分は損しない?をもう一度
- 楽天カード
- リクルートカード
- 三井住友カード(NL)
- 三井住友カード ゴールド(NL)
- au PAY カード
- PayPayカード
- イオンカードセレクト
- エポスカード
- 楽天ゴールドカード
- dカード
条件は変わることがあるため、申し込み前に公式サイトでご確認ください。
年会費無料で基本還元1%以上のカードを1枚持てば、まず損はしません。
得する人・向いている人
- 楽天市場をよく使う人(楽天カード)
- どこで使っても同じ還元がほしい人(リクルートカード 1.2%)
- コンビニ・飲食店でスマホのタッチ決済をよく使う人(三井住友カード(NL))
- 年間100万円以上カードで使う人(三井住友カード ゴールド(NL):翌年から年会費無料)
損しやすい人・向かない人
- 2027年1月以降もdカードを基本0.5%のまま使い続ける人
- 年100万円使わないのにゴールド(NL)を作る人(年会費5,500円がそのまま負担)
- 楽天ゴールドカードを「楽天市場の倍率が上がる」と思って作る人(無料カードと同じ)
- 公共料金や税金を楽天カードで払って1%もらえると思っている人(0.2%)
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この記事を書いた人
冴島(公認会計士)。企業の決算書や内部統制を見てきた経験をもとに、家計のお金を「会社の貸借対照表を読むように」見る方法を発信しています。YouTube「公認会計士冴島と『ちょっと残念な』赤城のお金のからくり」を運営。国の統計と各社の公式発表(一次情報)だけを根拠にし、個別の投資・税務の助言はしません。※「冴島」はYouTubeでの活動名です。公認会計士の資格は運営者本人のものです。
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